毎年3月と言えば醸造ぶどうの接ぎ木の季節です。
準備から片付けまでだいたい1週間ほどかかるので、ちょっとしたイベントのような感覚です^^

本来ぶどうは挿し木をするだけでも育ちますが、それだけでは病害虫に弱いです。
過去にヨーロッパを中心に「フィロキセラ」という病害虫による大きな被害が発生しました。
そのため病害虫抵抗性のある品種を台木に用いられるようになったという事です。

まずは「台木」と「穂木」の長さを調整します。

枝に切り込みを入れて、組み合わせます。
下が「台木」、上の短い部分が「穂木」。

「台木」にも品種が色々とある中で生育の良かったグロワールを使用。
「穂木」に、メルロやカベルネソーヴィニョンなどの育てたい品種を接ぎます。

接ぎ木テープを巻いて、蝋で固めた後、土に挿します。
この後は加温し、温度と湿度を管理しながら、うまく繋がるように祈る^^

「鞍接ぎ」というアナログな手法で接いでいます。
手間がかかりますが、1本1本じっくりとやることに意義を感じています。
こうして接いだものは全てが成功するわけではないんですよね(^^;
少しでも成功率が上がるように毎年改善を重ねています。

こちらは新しい畑の設計図。醸造ぶどうの畑を拡大することになりました^^
条件のよい農地を借りることができたのです。
ただいま畑を整備していて、来春までに垣根を立てる予定です。
そして今回接いだぶどう苗は、この畑に植える事になります。

とても見晴らしがよく気持ちの良い場所です。
ぶどうが育った風景を想像するとものすごーく楽しみです!